編入生の日常@元高専

高専から大学への編入体験についてつぶやきます

院試体験記 阪大工学研究科応用化学専攻 その1

こんにちは。

研究と院試勉強でしばらくブログを更新できずにいましたが、ついに!!

無事、院試を終えることができました。

今回は約1年におよんだ院試への道のりについてお話ししようと思います。

 

編入体験記と同様、長くなりそうなので2部編成にしようと思います。

その1ではおおまかな受験までの流れについて、その2では使った参考書やモチベーションの保ち方について書いていきます。

なお、2021年現在での情報なので、今後のカリキュラム改定等により大きく状況が変わる可能性があります。参考程度にして、最新情報は工学部・応用化学科HPや同い年の内部生から入手してください。

 

過去のブログを読んでない人もいると思うので軽く自己紹介しておきます。

私は化学系の高専から阪大工学部に3年次編入し、現在B4、卒業研究真っ只中です。

高専のときから有機化学が好きで、今も有機合成系の研究室に所属していますが、化学に関することであれば有機化学に限らず興味範囲が広い方だと思います。

好きな科目は有機化学、生化学で、苦手な科目は物理化学です。

 

 

 

受験した専攻・その他検討していた大学院

阪大工学研究科 応用化学専攻 - 第一志望のコース、研究室で合格

2021年現在、専攻内に2つコースがあります。自分が今所属している研究室が第一志望だったので、その研究室がある方のコースを第一志望に、もう一方のコースを第二志望に書きました。工学研究科のほかの専攻は推薦入試も実施していますが、応用化学専攻では実施されていないので、完全に本番一発勝負でした。

 

奈良先端大 物質創成科学研究科 - 受験せず

阪大の院試で合格できても、院試の成績によっては志望している研究室に入れない可能性があります。阪大で行きたい研究室に入れなかった場合のために、受験者説明会やオンラインでの個別研究室訪問に参加していました。奈良先端大は学費面でのサポートが手厚く、設備・教育面も充実しており、複数興味のある研究室があったので、視野に入れていました。大学生向けには年に3回院試を実施しており、今年は阪大の合格発表より後に奈良先端大の第二回の院試の出願が開始だったので、スケジュール面でも滑り止めに最適でした。

阪大内でも奈良先端大の知名度は高く、「阪大の院試に落ちたら奈良先端大を受ければよい」という話をよく聞きました。

 

 

勉強を始めた時期

編入を志したときから大学院に進学することは決めていたので、編入直後から院試のことが頭の片隅にありました。そのため、履修登録を組むときにも院試の過去問と授業シラバスを見比べながら、よく出題されている科目を履修できるように調整しました編入生は特に、2回生の授業でも重要な単元が含まれていることがあるので、履修登録は慎重に検討した方がいいと思います。

 

 

いざ3回生の授業が始まると、コロナ禍であったこともあり、とてつもない量の課題が降りかかってきて、前期の間は院試のことなど忘れ去っていました。前期末試験前にやる気が出なくなり、夏休みに微妙な成績が返ってきたとき、「これではいかん!」と思い立って院試に向けての勉強を始めました。それがちょうど9月のはじめだったので、丸1年間院試勉強と向き合ったことになります(実際は院試勉強できない時期もあったのでそんなにビビらないでください)。

 

 

勉強法とスケジュール

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応用化学専攻の入試科目は専門英語・化学Ⅰ・化学Ⅱの3つです。このほかにもTOEICの提出、志望理由書、面接などが評価対象になっていますが、筆記試験がほとんどの割合を占めているといわれています。

 

自分の興味から勉強していた時間やTOEICの対策に使った時間を除くと、院試対策として割いた勉強時間は500時間くらいだと思います。勉強しているときは必死でしたが、こうして振り返ってみると意外と少ないですね。

 

院試勉強の全体の流れてしては、「資料集め・計画」「教科書を読んで知識を入れる」「演習問題を解く」「過去問を解く」の4段階に分けられると思います。

 

3回生夏休み

  • 主にTOEIC対策
  • 本格的な院試勉強より、有機化学をじっくり考えていた
  • とにかく情報集め

夏休みは前期の自分に対する失望、いらだちもあり、有意義に過ごそうという意識が強かったです。このころからTOEICが抽選式になって毎月応募していましたが、結局4回ほど落選し、11月まで受験できませんでした。TOEIC対策は具体的に「単語」「リスニング」「Part5対策」「Part7のトリプルパッセージ対策」「公式問題集」に分けて、それぞれ参考書を使って勉強しました。使った参考書はその2でまとめます。また、詳しいTOEIC対策法は過去記事を参照してください!

 

ringo-hennyu.hatenablog.com

 

TOEIC対策のほかは、比較的自由に勉強している時間が多かったように思います。有機化学が好きなのでウォーレン有機化学を読んだり、演習で学ぶ有機反応機構(通称 福山本)を解いたり、志望研究室の論文を眺めたり…、とゆっくりした時間を楽しんでいました。

院試対策としては、内部生に授業で使っている教科書を聞いたり、シラバスを見てどの単元を勉強しているのか調べたりと、情報収集に時間をかけていました。有機化学以外の分野は高専で習っていない単元も多かったため、まず各単元のつながりを知り、基礎知識を得るために教科書を眺め、これからの勉強計画を入念に立てました。

 

 

3回生後期

  • TOEIC対策
  • ひたすら教科書を読んでまとめる
  • 内部生に板書や資料をもらう

後期は有機化学実験が週2日あり、次第に生活がレポートで圧迫されていきました。TOEIC対策は夏休みにある程度できたので、単語とリスニングだけは鈍らないように欠かさずに続けました。11月にはTOEICを受験し、最高スコアを出しました。何度もTOEICを受けるのは精神的にしんどいし時間とお金が無駄だと思ったので、院試用にはこの1回しか受けていません。空いている時間で、教科書の習っていない分野を読み、ノートにまとめていきました。また、3回生後期に履修した授業の範囲は院試によく出題されていたため、前期に比べて授業をしっかり復習するようにしました。

 

3回生冬休み~1月

  • 教科書を読んでまとめる
  • 後期期末試験に備える

冬休み期間も、引き続き教科書を読んでノートにまとめ続けました。また、3回生の成績で研究室が決まるので、志望の研究室に行きたいという気持ちから、後期期末試験の勉強を早めに始めました。

1月半ばごろには後期期末試験に向けた勉強がひと段落したので、院試勉強も並行してやっていました。

 

3回生春休み

  • 教科書をひととおり読み、まとめ終える

ひたすら教科書を読んで、まとめ続けました。春休みは実家に帰省している期間が長く、家族と話したりのんびりしたりする時間が長かったため、冬休みほど集中していませんでした。3回生の成績が返ってきて、志望の研究室には入れたこともあり、少し気が緩んでいました。

 

4回生4-6月

  • 研究室生活で手一杯
  • 過去問を始める

研究室に配属され、新しい環境に慣れるまで心身ともに一杯いっぱいでした。参考までに、コアタイムは平日9:30-17:00, 月曜・水曜の夜と土曜午前は勉強会や雑誌会がありました。院試が終わるまでは平均して6時半ごろに研究を終えて帰宅していましたが、家に帰ってもろくに勉強せず、軽く頭を整理したらそのまま寝るような生活でした。ゴールデンウィーク中は研究室が完全に休みだったので、過去問を2年分解いたり、しばらく触れていなかったまとめノートを見返したりして復習しました。

 

4回生7月

  • まとめノートの見直し
  • 手を付けていなかった範囲の確認
  • 問題演習

7月から研究室を休んで、院試勉強に専念しました。これまで教科書をまとめてきたノートを見返したり、3回生の初めの方に習った記憶があいまいな範囲を復習したりするのに多くの時間を割きました。また、それぞれの科目の演習プリントや院試対策用の問題集を入手してひととおり解き、定着していない部分を確認しました。

 

4回生8月

  • 過去問
  • 英作文対策
  • 最終チェック

ラスト1か月は過去問をメインに勉強していました。この期間に過去問は6年分解き、研究室の同期と適宜答え合わせをしていました。また、専門英語の対策のために、化学分野で使われる英単語の暗記や英作文の対策をしました。最後の3日間は緊張もあってあまり集中できず、まとめノートをチェックして不安な部分をつぶしていきました。

 

 

その2では、勉強に使った参考書や、よく出題されている範囲、精神面の保ち方について書いていこうと思います!